忙しい日々に、ほんの5分の読書時間を。読書習慣のはじめ方。

部屋でコーヒーを飲みながら、ふと本棚を見上げることがあります。

そこには読みかけのまま眠っている本たちが、静かに並んでいました。

「読書を習慣にしたい」

そんな気持ちが心の奥に宿っていても、なぜか本を手に取ることに躊躇してしまう。そんな経験を、僕も長く重ねてきました。

今日は「1日5分の読書」について、ご紹介したいと思います。

競争でもない、テストでもない。ただ、心に寄り添う時間としての読書の始め方を、そっとお伝えできればと思います。

matari.

読書習慣がないと、一冊の本を読み切るなんて、山を登るくらい大変なことに思えたんですよね(本当)

本記事はこのような方におすすめです。
  • SNSばかり見てしまい、活字から遠ざかっている自分に罪悪感を感じている方
  • 本を読み始めても途中で挫折してしまう方
  • 本は好きだけど、忙しい毎日で読書時間がとれていない方
目次

本との距離感に戸惑うあなたへ

もしかすると、こんな想いを抱いたことはありませんか。

「本は読みたいけれど、いつも途中で挫折してしまう」

「忙しい日々の中で、読書の時間をうまく見つけられない」

「スマホばかり見てしまい、活字から遠ざかっているような気がする」

僕もそうでした。本を手に取るたびに、「これを最後まで読み切れるだろうか」という小さな不安が胸をよぎる。まるで山を前にして立ちすくむような、そんな気持ちになることがありました。

でも、ある夜のことです。いつものように寝る前にスマホを見ていた時、ふと枕元に置いてあった本に目が留まりました。「5分だけでも読んでみよう」と思い、ページを開いてみました。

その小さな一歩が、私の読書との向き合い方を、静かに変えていきました。

なぜ「5分」という時間なのか

「1日5分」という時間には、どこか魔法のような力があります。

お茶を一杯飲む時間。空を見上げる時間。電車の窓越しに景色を眺める時間。そんな日常のちいさな隙間に、自然と収まる長さです。

人の心というのは不思議なもので、「一冊読まなければ」というプレッシャーよりも、「たった5分だけ」という約束の方に、安心感を覚えるのかもしれません。

ロンドン大学の研究によると、新しい習慣が身につくまでに平均66日かかると報告されています。

けれど、その習慣自体が心の負担にならなければ、続ける可能性はずっと高くなるのではないでしょうか。

「新しい習慣を形成するには平均して66日かかる」という、イギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のフィリッパ・ラリー氏らによる2009年の研究に基づいています。

夜、布団に入る前の5分間。朝、目覚めてすぐの5分間。あるいは昼休みの静かな時間に。どんな本でも、どんな日でも、5分なら向き合えるような気がしませんか。

気がついたら5分以上読んでいることもあるでしょう。でも、それはあくまでボーナスのような時間。決して義務ではないのです。

静かに続けるための7つの心がけ

「5分なら私にもできそう」と感じていただけたなら、実際に習慣として根付かせるための、いくつかの心がけをお話しさせてください。

  1. 心地よい場所と時間を見つける
  2. 手の届く場所に本を置く
  3. 時間を意識してみる
  4. 心が惹かれる本から始める
  5. 途中でやめる勇気を持つ
  6. 小さな記録をつける
  7. 読書を自分だけの時間として大切にする

心地よい場所と時間を見つける

人には、自然と身につく時間と場所があるのかもしれません。同じ場所で、同じ時間に、同じことを繰り返していると、いつの間にかそれが日常の一部になっていく。

私の場合は、寝る前のひとときを読書の時間にしました。最初は忘れることもありましたが、今では「そろそろ本を開こうか」と、自然に思い出すようになりました。

手の届く場所に本を置く

少し恥ずかしい話ですが、以前は読書をしようと思っても、本が別の部屋にあったり、本棚の奥に眠っていたりすると、「また今度にしよう」と先延ばしにしてしまうことがよくありました。

今は、必ず枕元に本を置いています。目に見える場所にあるだけで、手に取る可能性は驚くほど高まりました。

時間を意識してみる

「5分たったらやめてもいい」と自分に許可を出すために、スマホのタイマーを使うことがあります。

不思議なことに、タイマーが鳴っても「もう少し読み続けたい」と感じることが多いのです。でも時には、本当に5分で本を閉じることも大切です。そうすることで、「読書=負担」という感覚が、少しずつ薄れていくのかもしれません。

心が惹かれる本から始める

名作だから、話題だから、という理由で本を選ぶ必要はありません。まずは純粋に、あなたの心が惹かれる本を手に取ってみてください。

マンガでも、写真集でも、料理本でも。入口はどこでもいいのです。私は足つぼが趣味なので、足つぼを解説した本から読書を再開しました。興味のある分野から始めることで、読書そのものが自然と楽しい時間に変わっていきました。

僕は足つぼが趣味なので「足つぼを解説した本」はめっちゃ楽しく読めました!

途中でやめる勇気を持つ

これは意外と大切なことかもしれません。本との相性が合わないと感じたら、途中でページを閉じる勇気も必要です。「せっかく買ったから」「有名な本だから」と無理を続けると、読書自体がつらい作業になってしまいます。

本との出会いは、人との出会いと似ているのかもしれません。すべての本があなたにとって特別である必要はないのです。

小さな記録をつける

「今日も5分、本と過ごした」という記録を、手帳の片隅に残すだけでも、静かな達成感が生まれます。続けていることを目に見える形にすることで、思いがけない励みになることがあります。

読書を自分だけの時間として大切にする

「今日は○○を読みました」とSNSでシェアしたくなる気持ち、よくわかります。でも時には、読書を自分だけの静かな時間として楽しむことも大切ではないでしょうか。

他の人の反応を気にせず、純粋に自分と本との対話を味わってみてください。

5分の積み重ねが紡ぐ、小さな変化

「たった5分で何が変わるの?」と思われるかもしれません。

正直なところ、劇的な変化は最初は感じられないかもしれません。でも、小さな積み重ねは、いつの間にか心の奥に静かな変化をもたらしてくれるのです。

  • 集中力の静かな回復
  • 眠りへの穏やかな導線
  • 言葉との新しい出会い
  • 新たな興味の扉

集中力の静かな回復

スマホやSNSに慣れた現代の私たちの心は、長い時間ひとつのことに集中することが難しくなっているかもしれません。でも、5分間だけ本の世界に浸る習慣が、心の筋力を少しずつ回復させてくれるのです。

私自身、最初は5分でも集中が続かないことがありました。でも1〜2ヶ月ほど続けた頃、カフェで気がついたら1時間近く読書に没頭していることがありました。

眠りへの穏やかな導線

ブルーライトを発するスマホとは違い、紙の本は睡眠を妨げる心配がありません。寝る前の5分読書は、良質な眠りへの静かな橋渡しとなってくれることがあります。

「なんとなく眠りが深くなったような気がする」という変化を感じる方も多いようです。

言葉との新しい出会い

気づかないうちに、本から出会った言葉や表現が、日常の会話に自然と溶け込んでいることがあります。「この言い回し、先日読んだ本で見かけたな」という瞬間は、とても温かな気持ちになります。

新たな興味の扉

思いがけず新しい分野に心を惹かれることも、読書の贈り物のひとつです。

私は歴史が苦手でしたが、ある歴史小説をきっかけに、その面白さに気づくことができました。今では歴史ドキュメンタリーも楽しめるようになっています。本との出会いは、新しい自分との出会いでもあるのかもしれません。

あなたの「5分」が作る新しい景色

「1日5分」。

たった300秒の積み重ねが、やがてあなたの世界を少しずつ広げてくれるかもしれません。

最初は「本を読まなければ」という義務感から始まったとしても、いつの間にか「本を読みたい」という自然な欲求に変わっていく。そして、その小さな習慣が、豊かな人生の静かな伏線になることもあるでしょう。

完璧を目指さなくていい。続けられない日があっても、自分を責める必要はありません。ただ、本を手に取る。そのシンプルな行動から始めてみませんか。

夜が更けて、部屋に静寂が訪れた時。朝の光が窓辺を優しく照らした時。あるいは昼下がりの穏やかなひととき。

あなたの心が求める時間に、そっと本を開いてみてください。そこから始まる小さな物語が、きっとあなたの日々に新しい色合いを添えてくれることでしょう。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次